中古マンションを購入する際、多くの方が住宅ローンを利用します。その際に出てくる「団体信用生命保険(団信)」という言葉に、不安や疑問を抱く方も少なくありません。団信の役割や、加入することでどのような安心が得られるのか、また自分でも加入できるのか気になることが多いものです。
本記事では、中古マンション購入時の団信の基礎知識から、加入条件や審査の流れ、費用や返済計画の注意点、加入後のメリットやデメリットまで、分かりやすく解説します。住まい選びに安心をプラスするための参考にしてください。
中古マンション購入時に知っておきたい団信の基本

中古マンションの購入を検討している方にとって、団信は大切なキーワードのひとつです。ここでは、団信の基本や中古マンションとの関係性を押さえておきましょう。
団信とは何かと中古マンション購入の関係
団体信用生命保険(団信)は、住宅ローンを利用する方が万一のことがあった際に、ローンの残債を保険で支払う制度です。これにより、家族にローンの負担が残らないようにする目的があります。
中古マンションを購入する場合にも、多くの金融機関が団信の加入を条件にしています。これは、購入者自身だけでなく、その家族にも安心して住まいを持てるようにするためです。住宅ローンの契約時には必ず説明があるため、内容をしっかり確認するようにしましょう。
住宅ローンに団信がなぜ必要なのか
住宅ローンは一般的に数十年にわたる長期の契約となるため、返済中に予期せぬ事態が起きるリスクも考慮する必要があります。たとえば、借入者が病気や事故などで亡くなった場合、残された家族がローンの返済責任を負うことになります。
団信はそうした場合に、保険会社がローン残高を肩代わりするしくみです。家計への大きな負担を防ぎ、住まいを失うリスクを下げる目的があるため、多くの金融機関が加入を必須としています。
団信が中古マンション購入者に与える安心とは
中古マンションを購入する際、団信に加入しておけば、万が一の時にも家族の住まいが守られるので安心です。特に小さなお子様や配偶者がいるご家庭では、将来への不安を軽減できます。
また、団信に加入することで、家計の見通しが立てやすくなります。ローンの返済が困難になった場合でも、住まいを残せるという安心感が得られる点は大きなメリットといえるでしょう。
団信と生命保険の違い
団信と一般的な生命保険は、似ているようで異なる点があります。団信は住宅ローンの返済に特化した保険であり、死亡や重度障害などが発生した際に、ローン残高がゼロになります。一方、生命保険は受取人が指定でき、使い道も自由です。
団信は住宅ローン残高のための保険なので、加入しているからといって遺族に現金が入るわけではありません。生命保険との違いを理解し、両方のバランスを考えて備えることが大切です。
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中古マンション購入で団信に加入する際のポイント

団信へ加入する際には、条件や審査の流れ、健康状態による可否などを知っておくことが重要です。ポイントごとに分かりやすく整理します。
団信に加入するための条件と審査の流れ
団信に加入するには、住宅ローンを借りる本人が申込時点で健康であることが基本条件になります。申込時には健康状態に関する告知書の提出が必要で、病歴や現在の体調について詳細に記入します。
その後、金融機関や保険会社が審査を行い、問題がなければ団信に加入できます。審査には数日から1週間ほどかかるのが一般的です。審査に通れば、正式に住宅ローンの契約が進みます。
加入できないケースとその対策
過去に大きな病気をした方や、現在治療中の場合、団信に加入できないことがあります。たとえば、直近で入院歴がある、持病があるなどが該当します。
対策として、金融機関によっては「ワイド団信」と呼ばれる、持病のある方でも加入しやすい保険を用意している場合があります。また、団信の加入が難しい場合は、配偶者名義でローンを組む、団信なしのローンを利用するなどの選択肢も考えられます。
健康状態による団信加入の可否
団信の加入には健康状態が大きく影響します。審査では、現在や過去の病歴、慢性疾患、手術歴などが細かくチェックされます。
たとえば、糖尿病やがん、心臓病などの持病がある場合、通常の団信では断られることもありますが、最近では持病のある方でも加入が検討できる「引受基準緩和型」団信も増えています。事前に金融機関へ相談し、自分に合うプランを見つけることが大切です。
団信の種類と特約内容の違い
団信にはいくつかの種類があり、内容も異なります。主な違いは「保障範囲」です。基本型は死亡や高度障害に限定されますが、特約を付けることで、がんや三大疾病(がん・急性心筋梗塞・脳卒中)にも対応するプランがあります。
また、特約内容によっては、保険料や金利が変わることもあります。金融機関によって選べる特約も異なるため、比較表を利用して自分に合った内容を見極めると良いでしょう。
団信の種類 | 主な保障内容 | 備考 |
---|---|---|
基本型 | 死亡・高度障害 | 標準プラン |
三大疾病特約付 | がん・心筋梗塞等 | 金利上乗せ有 |
ワイド団信 | 健康配慮型 | 持病対応 |
団信に関する費用や返済計画の注意点

団信に加入するにあたっては、保険料の負担やローン金利への影響など、費用面のポイントも押さえておきましょう。
団信の保険料の支払い方法と負担者
団信の保険料は、金融機関によって支払い方法が異なります。多くの場合、住宅ローンの金利に含まれており、別途保険料を支払う必要はありません。この場合、ローンの返済額に自動的に組み込まれています。
一部の金融機関では、保険料を年払いで支払うケースもあります。いずれにしても、保険料の負担者はローン利用者本人です。契約時に支払い方法を確認し、家計への影響を考慮しましょう。
団信特約付き住宅ローンの金利やコスト
団信の特約を追加すると、ローンの金利が上乗せされることがあります。たとえば、三大疾病やがん保障の特約を付けると、年0.1~0.3%程度金利が高くなるケースが一般的です。
金利が上がることで、トータルの返済額も増えます。特約を付ける場合は、保障内容と費用のバランスを考えて選ぶことが大切です。金融機関ごとに金利設定が異なるため、複数社で比較してみると良いでしょう。
保険料が発生しない場合や金利上乗せ型の特徴
近年では金利に団信保険料が含まれ、「追加の保険料が発生しない」タイプが主流になっています。この場合は特に手続きもシンプルです。
一方、特約が付くと「金利上乗せ型」となり、毎月の返済額がやや増加します。保障範囲が広がる分、負担も増えるため、重視したい保障内容を明確にして選ぶことが大切です。
保険料タイプ | 支払い方 | 特徴 |
---|---|---|
金利込み型 | ローンに含まれる | 手続きが簡単 |
金利上乗せ型 | ローン金利上昇 | 保障内容が充実 |
団信とリフォーム費用や諸費用の借入れとの関係
中古マンション購入時に、リフォーム費用や諸費用も住宅ローンに含めて借り入れる方が増えています。その場合、団信の保障対象となるのは「ローン全体の残高」です。つまり、リフォーム費用分も含めて、万一の際には全額が保険でカバーされるメリットがあります。
ただし、ローンの金額が増える分、団信の審査や保険料も高くなる可能性があります。資金計画の際には、リフォーム費用や諸費用をどこまで借り入れるか、慎重にプランを立てることが大切です。
中古マンション購入後に活用できる団信のメリットと注意点

団信は加入後の安心につながりますが、制度の特徴やリスクにも注意が必要です。活用メリットとともに、気を付けたいポイントを確認しましょう。
万一の時に団信で住宅ローンが免除される仕組み
団信に加入していれば、契約者が死亡または高度障害になった場合、住宅ローンの残高が保険で支払われ、以降の返済が不要になります。これは家族の生活基盤を守る大きな安心材料です。
たとえば、ローン残高が多い時期に万一があっても、残された家族は住まいに住み続けることができるため、将来の不安を大幅に減らせます。
団信加入による税制や控除のメリット
住宅ローン控除(住宅借入金等特別控除)は、団信加入の有無にかかわらず受けられますが、団信加入によって「生命保険料控除」の対象にはなりません。ただ、住宅ローン控除と合わせて活用することで、家計の税負担を大きく軽減できます。
また、団信特約の一部では、所得保障保険など他の保険と併用することで節税効果が期待できる場合もあります。具体的な税制優遇については、ローン契約時や確定申告の際に確認しましょう。
団信利用時に注意したいデメリットやリスク
団信はあくまで住宅ローン返済のための保険であり、現金が給付されるわけではありません。また、健康状態によっては途中で保障がなくなることや、特約を付けると返済負担が増加する点にも注意が必要です。
さらに、団信の保障が終わるタイミング(ローン完済時)には、その後の保障がなくなるため、別途生命保険や医療保険で備えることも検討しましょう。加入時には約款をよく読み、内容を理解したうえで選択することが大切です。
団信の見直しや他の保険との併用ポイント
ライフステージの変化に合わせて、団信の保障内容や他の保険とのバランスを見直すことも大切です。たとえば、子どもの独立後やローン残高が減ってきた場合は、必要な保障額も変わってきます。
団信だけではカバーできないリスク(入院や働けなくなった時の収入減少など)に備えるため、医療保険や就業不能保険との併用も検討しましょう。定期的に資産や保障のバランスをチェックすることが安心につながります。
まとめ:中古マンション購入と団信加入で安心の住まい計画を実現しよう
中古マンションの購入を検討する際、団信は家族や自身の生活を守る大切な制度です。基本から加入の流れ、費用やリスク、活用ポイントまでを理解し、納得のいく住まい選びにつなげましょう。
メリットと注意点をしっかり押さえ、資金計画やライフプランに合わせて上手に団信を活用すれば、安心して新生活をスタートできます。自分や家族に合った最適なプランを選び、安心の住まい計画を実現しましょう。
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